Hエバートン戦にみるオーリエの動きについて
大変お久しぶりです…
さて、今回は今さらながら日本時間14日2:30K.O.のホームエバートン戦について思ったことを整理しようと思います。この試合を見る前にTLに流れてきたある英語の記事を読みました。
Tactics Tuesday: Say Hello to DESK https://t.co/6tmuWT1Kac
— Cartilage Free Captain (@cartilagefree) 2018年1月16日
私はあまり英語が得意ではないので自信はありませんが内容としては
・ポチェッティーノ下のスパーズでは15-16シーズン以降4-2-3-1→3-5-2→4-2-3-1とフォーメーションが変化している
・15-16の4-2-3-1はアタッカーが左からエリクセンアリラメラでラメラのレーンを横切るような溜めるドリブルによるチャンスメイクが目立った、チャンスメイクはエリクセンとラメラが担当
・それに対して今シーズンの4-2-3-1はラメラの怪我もありアタッカーが左からソニーアリエリクセン、とりわけエリクセンが中盤まで下がってソニーアリケインの3人がボックスへ飛び込む形が定番になっている
こんな形であったかなと思います。これにはペップシティの3人アタッカーをおくスタイルが影響しているのかなとも思いますが(アリはウインガーというよりセカンドトップだけど)ラメラも復帰以降より得点を狙いにいく姿勢が見えているのは決して半年後に迫ったW杯に向けて目に見える数字を残したがっているだけではないかなと。
話をエバートン戦に戻しますがスターティングメンバーは以下の通り、オーリエデイビスのSB、ダイアーデンベレの2ボランチに前線は定番のソニーアリエリクセンです。エバートンも4-2-3-1です。
スパーズのビルドアップに着目すると明らかに左サイドを使っていることに気づくと思います。デイビスが落ちた疑似3バックに2ボランチ、前線もエリクセンが中央に位置するまで左にずれています。数字にするなら3-2.5-3.5-1でしょうか。オーリエがボランチと前線の中間にいる印象です。したの画像はスポナビのハーフタイムに流れてた映像を直撮りしたものですが顕著にその傾向が見られますね。
これによりオーリエが完全にフリーになっています。何の記事か忘れましたが他のマッチレポではマルチィナの内に入りすぎるポジショニングに問題があったのではないかとされていますがあそこまで左で試合を作られたら右大外は捨てざるを得ないかと…前半からオーリエが高い位置でボールを受けることができたのはこういう理由ではないかなと思います。最近ソンフンミンが好調で、チームとしてゲームを作れないときでも左大外でのアイソレーションからのカットインor縦切り込みで多くのチャンスを作っていました。だからこそ、エバートンも過疎状態になるはずの左サイド(エバートンからみて右)に密集する状況は予想外だったのかなと。またオーリエが高い位置をとる欠点として彼の背後ががら空きになることが挙げられますがサンチェスのカバー能力の高さに加えエバートンの左サイドのアタッカーがシグルズソンで例えばソニーやサネのように圧倒的なスピードを持っていないことで欠点になりにくかったのではないかと思います。実際の試合ではこの位置に新加入のトスンが入り、ポストプレーの上手さを見せつけていましたがルーニーとの単発的なカウンターに終始し、ゴールを許すことはありませんでした。さらに左サイドに密集する中でデンベレの剥がして持ち上がる能力が光っていましたね。そのおかげで前線にボールを比較的楽に持たせることができました。そしてもしビルドアップ地点の左サイドでボールを失っても密集しているからこそ機能するハイプレスでカウンターを回避できました。過疎レーンの右で失ってもそこは既にエバートンゴールにかなり近づいているのですぐさまピンチとはなりにくかったです。
と、このようにオーリエが右大外で幅を取れたおかげでプレミア有数のチャンスメイカーエリクセンが外に張り付く事態を防ぎ、結果的に先制点に繋がったのではないでしょうか。
後半ではエバートンが対策をとったかスパーズがプランを変えたか左大外ソニー、オーリエが右大外になだれこむ誰かにパスのいつものパターンに戻ったこともありパスマップでは少し前半の要素は薄れていますがそれでもなおサンチェスorダイアー→オーリエへのパスよりヤンorデンベレ→デイビスへのパスの方が目に見えて多いのが分かりますね。エリクセンもほぼ中央にいますしxGChainで星がついている選手も左サイドに固まっています。